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カテゴリー: 巻頭言(江口大象)

悪あがき

 「私は間違っていない」と確信する人をどうも好きになれない。もしかしたら間違っているのではなかろうか、と常に思っていなくてはならないと私は思う。そう思いながら私自身もいささか心もとない。 しかし考えてもみよ。人は皆いろい […]

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続・自分の欠陥

 自分の欠陥がわかっていない、又わかろうとしない人については論外として、ここではわかっているのに直らないと思っている人のことを少々書いてみる。 一番簡単なのは前号で書いた先人に倣い、それを個性として生涯貫くことである。こ […]

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自分の欠陥

 読物としては2流3流であろう週刊誌(バカにしてはいけませんぞ)を私はこの10数年愛読ひろい読みを続けている。 半年程前にこんな記事があった。この世には「ブスに気づいていない」女性もまた、多いのでした。そして意外なことに […]

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今何時?

 巻頭言を書くようになってざっと25年。それ以来何か材料になるものがないかと始終世の中を見廻しているようだ。なかば癖になってしまった。 寝ようかと思って眼を閉じる。数分のうちに眠ってしまえばそれまでだが、10分ほども経つ […]

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書塾の先生方よ

 大阪の20人展会場で、たまたま自分の蘭亭集序作品の前に立っていた。そこへ数分前までの私の説明を聞いていたらしい50がらみの男性が近付いてきて「なぜこんな読めないような字を書くんですか。楷書で書けばだれでも読めるのに&# […]

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奴書になるな

 「臨書とは、古典の文字の良いところを学びとり、将来の自分の字に生かすこと」 右はいうまでもなく「みなもと」の表2「臨書をしよう」の下に毎号入れてあることばで、一種の標語のようなもの、いい方を変えれば私の信念である。 臨 […]

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なつかしい話

 過日、かつて勤めていた高校の現在の書道教諭から、倉庫を整理していたら先生の作品が出て来ましたけどお送りしましょうか、という電話があった。 即座に「お願いします」といったものの、送られて来た2点の半切額作品を見て正直がっ […]

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平清盛

 昨年末、私は「平清盛」を見て直感的にいい字だと思った。この字をいつか巻頭言で褒めようと思っていたが、いつだったか真神巍堂氏と二人っきりでホテルの喫茶室にはいる機会があり、いろいろの話の中でたまたまこのNHKの大河ドラマ […]

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前半と後半の問題点

 12月4日、今新幹線の中。今日は12月らしくない暑さの中で 「みなもと展」 の授賞式を先刻済ませて来たばかりである。大阪市立美術館の授賞式会場は、2回に分けてもなお超満員、子供の熱気でむせ返っていた。私は挨拶の中でくれ […]

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自分の眼で正しく

 「芸術鑑賞は人に頼るな」と題して、映画評論家の白井佳夫氏が昨年3月7日の日経新聞に〈自身の目で作品に向き合え〉と提唱していた。 映画や文芸などはダメなものはダメとはっきり書く人が多い。それが自分の文芸になり、投稿、出版 […]

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