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エコを考える

年間約百万人もの人が交通事故で死傷している自動車は便利なものだし、輸出の花形だから自動車製造反対運動はしない。片やダイオキシンは毒性がほとんどない(それで死んだ人もいないし奇形児も別の原因)にもかかわらず猛毒扱いにされて、民家でのゴミ焼きや畑の野焼きも禁止になった上に、ダイオキシンが出ないゴミ焼却炉の建設に多額のお金を注ぎ込んでいる。炉ばた焼屋の店内にも、各家庭の台所からでも出ているんですが・・。

昨年暮れの朝日新聞「風」欄に「偽善エコロジー」という武田邦彦氏の著書が紹介されていたので読んでみた。本当かな、と思うところがたくさんあるが、一いちデータを上げているし、天下の朝日新聞が取り上げていることなのでここにちょっとサワリだけを書いておこうと思う。

▼空きビン、ガラスのリサイクルはしない方がよい。▽色がとれない。▽不純物を取り除きにくいので、たとえ再生しても割れやすいものにしかならない。
▼ゴミの分別はしなくてよい。金属(すべての金属)とそれ以外の二つに分ければよい。▽金属の中の分離は業者の方で簡単にできる。▽ペットボトルを含め、なにもかにも一緒くたに燃やした方がよく燃える。▽分別は時間の無駄。
▼ペットボトルを燃やしても有害物質は出ない。▽木材や紙、動物を燃やすことと同じだが、中でもペットボトルは酸素を含んでいるので一番きれいに燃える。しかし低い熱、密閉した室内の酸素不足の中でブスブスやると危険なのは周知の通り。
▼再生紙はやめよう。古紙は燃やせ。森林破壊など起こらない。新しい紙を使うことが最も環境にやさしいのだ。▽現在は自然林と人工林が半々。その自然生長の間伐材、枝打ち材などで紙の原料は充分にまかなえる。▽再生にはお金と手間がかかるし、まして強力な薬品が多量に必要。
▼タバコを吸う人の横にいる人の危険性は40分の1ほど。▽副流煙の方が危険というのは嘘。
▼石鹸も合成洗剤も同じもの。▽石鹸は今生きている動物を殺して作ったもの。合成洗剤は昔生きていた動物の死骸(石油)で作ったもの。▽リンを含まない今の合成洗剤は、使い過ぎない以上同じもの、といえる。
▼生ゴミを肥料にするな。▽あんなもの有害物質(異物混入によりカドミウム、鉛、水銀など)だらけだ。
▼狂牛病の牛を食べても病気にならない。▽あれは共食いで発生する病気、即ち牛の飼料の中にリサイクルとして牛の肉骨粉がはいっていたから。
▼南極と北極の氷が融けると海水面が上がるというのは嘘。▽あれは膨張した部分が浮いているだけで、溶けても水位は同じ。グリーンランドの氷が全て溶けるとたしかに水位は上がるが、それは数千年後のこと。
▼地球温暖化は防げない。京都議定書を守ろうとしているのは日本だけで、世界全体がやらなければ意味がない。それは無理。▽そのうち石油や石炭がなくなってくるので温暖化は自然に収まる
でしょう。
▼レジ袋は大いに作ってもらい、大いに使い、大いに捨てましょう。▽あれは石油のいらない成分を活用した優れもの。他に壁紙、土木用のパイプ、ビールのケース、自動車のバンパーにもなっており、石油はいよいよ捨てるところがなくなった。
▼アルミは誕生してまだ百年ぐらいしかならないが、砂と同じ成分で資源は豊富、安全性も高く、リサイクルも奨励すべし。

まだまだあるがこの辺で・・。

今年の書芸院役員展は「エコ」がテーマ。私は「突然降り出した雨が通りすぎて、他の草がよみがえり、無数の蛙が鳴きはじめた」といった内容の詩を書いた。

江口 大象 (書源2010年4号より)

 
   

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