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ブームは末永く

  第54回現代書道20人展東京松坂屋会場の2日目にセーラー服姿の女子高生がたくさん来ていた。長い間会場にいて、作品の説明にも熱心に耳を傾けていた。

 聞けば埼玉県立松山女子高等学校書道部の生徒とのこと。指導者は石原裕子先生、その石原先生の先生が本誌かな手本執筆をお願いしている土橋靖子先生で、作品解説も土橋先生の作品中心だっただろうと思われる。
 松山女子といえば昨年の国際高校生選抜書展で優勝した学校。あの音楽に合わせて踊りながら軽快にパフォーマンス書道をやる学校である。北関東ブロックではすでに5年連続優勝したりしているらしいので、前述の石原先生が赴任して以来ずっと、なのかもしれない。そしてついでにいえば、体操かと思われる振りつけも石原先生ご自身だとか。

 昨年の12号に「基本あってのパフォーマンス」と越した巻頭言を書いた。書道ブームを作ったのはありがたいが、若い人が高校の書道部ではあんなことをするんだ、楽しそうなので入部しようなどと、書の一面だけを見てもらっては困る、やはり書は基本が大切ですよ。といった趣旨だった。
 しかし今回の女子高生の20人展鑑賞の態度を見てそんな杞憂はないのではないかと大変うれしく思ったことである。それは土橋先生の門人であったこととも重ね合う。静かに机に向かい基本練習に励む時間の方が相当に長いことは充分に想像できる。実際朝練、放課後練、合宿などで徹夜もあるらしい。

 折からNHKで、人気浸画「とめはねっ!」のドラマが放映されはじめた。この号が出るころには6回の放映が終わっているだろうが、今日は1月14日で、私はまだ2回を見ただけである。ちなみに右の女子高生はドラマの5回と6回には出演するとのこと。
 女子高生に会った同じ日の夕方、20人展のパーティーがあったが、そこで石飛博光氏に会った。「とめはねっ」の監修をしていて、テレビ側も石飛氏にかなり頼っていると聞いていたので「はねるばかりでなく臨書も-」と、つい親しさにかまけていらぬことを言ってしまったが、「俳優さんに臨書をしてもらうんですが、むずかしいですね。アクションはすぐに覚えてもらえるんですけどねぇ」しかし本音をいえば、石飛氏なら広く大きな目で「書」をとらえている、と安心しているのである。

 20人展の大阪高島屋会場で会った東京朝日の担当者が、今年の入場者は昨年より千人も増えました。とうれしそうであった。
2万2千人だったらしい。ブームが高校生だけに終わらぬように。大人にも、そしてこれを機に末永く続きますように。

江口 大象 (書源2010年3号より) 

 
   

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