文字サイズ

上達の秘訣は?

  • 投稿日: 2023-08-10

  • カテゴリ: 未分類

川村 龍洲(2023年9号)

ロータリークラブやライオンズクラブ等での卓話、或いは講演のあとの質問はほぼ100パーセン

トが「字が上手くなるのにはどうしたら良いか?」 「字の上達の秘訣は何か?」である。で、その

秘訣が有るならば、私自身がぜひそれを知りたいので教えて頂きたい!と言うと爆笑で催しが終

わるのが常なのだが、逆から見ると、聞く側にそれだけ字が上手くなりたいという願望を持って

いる方々が多いということになる。 パソコンやスマホがこれだけ普及し、手書き文字の必要性が

日増しに少なくなっているなかにあって、企業経営者や重役クラスの方々は「せめて自分の名前

だけは上手に書きたいから」とおっしゃる。ならば名前だけ一所懸命に習えば良いかというとそ

うはいかないところに書の奥深さが有ると言ってよい。

村上三島先生が「君たちは、いくら書いても上手く書けません!と言うが、先ずは同じものを

1000枚書いてみなさい!」が口癖だった。また、宋代を代表する大詩人の欧陽脩は「三多」

なる有名な言葉を残している。 一、多くの本をたくさん読みなさい。 二、たくさん文章を書きな

さい。三、多くの文をたくさん工夫し推敲しなさい。これは欧陽脩が優れた文章を書くために残

した言葉だが「文章」を「書」 に置き換えれば良かろう。またマラソンの野口みずきさんの「走っ

た距離は裏切らない!」の有名な一言も、練習の大切さを説いている。

古代ギリシャの数学者・ユークリッドも “There is no royal road to learning” なる言葉を残

している。「学問に王道無し」として知られているが、王様にだけ許された特別な方法は、学問に

は存在しないということである。

しからば、まずは手本を見る、真剣に見る、本気で見る、ことから始まる。 眺めているだけで

は見たことにならないから。その意味では、皆平等に同じスタートラインに立っている。

 
   

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です