投稿日: 2012-12-02
カテゴリ: 巻頭言(江口大象)
「書源」 の寡字の部は半紙2字が定番ですが、「みなもと」 の方にもう少し自由な字数の「臨書をしよう」 コーナーを設けようかと今考えています。
「臨書であること」だけを約束ごとにして、字数は最大10字ぐらいまで。年令制限なし、課題なし、段級なし。で区分けを少し。小学、中学、高校成人の3クラスに分けるぐらいで始めてみようかと思っているところです。
狙いは、成人はもちろん、小学校低学年まで含めた広い範囲の人たちに臨書に親しんでもらうことで、臨書の楽しさ面白さ、漢字やかなの歴史と不思議さなどを直接感じてもらいたいと思ってのこと。
「書は面白い、臨書は面白い」というテーマで講話をしたこともありますが、そっくりに書けたらうれしいし、そっくりでなくても、今までの自分とは違った字が書けることだけでもうれしさは倍増します。
どうですか、参加しませんか。書塾の先生は、月のうちの1回を「臨書の日」 にしてみませんか。そういう塾の雰囲気が少し変わるような日を設けてみてはいかがですか。
今「寡字の部」に出している参考例(担当・浅田大遠) のようなものはもちろん載せようとは思っていますが、課題がないので一切自由。「みなもと」 に連載中の「文字のみなもと」 (担当・阪野鑑) の1字も大いに参考になります。
大人も子供もこぞって「みなもと-臨書をしよう」 コーナーへ出品というのはいかがですか。補助出品券制度や「みなもと」 1冊で子供と大人が出せる制度などはそろそろなくそうかと思っていますので、大人で応募したい方は「みなもと」を購読する必要がありますが、そんなことはさておいて臨書を楽しみましょう。
漢字にはそれぞれに意味と歴史があります。平がな片かなはその漢字を基にして出来たものです。そんなことを考えながら書くのもいいでしょう。
書の最終着地点は 「線」 であると思っていますが、線は筆で書くからこそ、であって、一本の線の中には品格、人格、人生など、それこそ数限りないものがたくさん詰まっていると私は思っています。この辺の話になると小学生にはむずかしい。しかし高校、成人、とりわけ書塾の先生方にはこの辺までわかりながら教えてはしいと思います。
まずは姿勢を正すこと、そして筆を立てさせること、気合いを入れること。書塾の先生方よ、頑張って下さい。
江口大象 (書源2012年12月号より)
コメントを残す