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浅い知識で四柱推命

私の今年の運勢の悪さは昨年のうちからいわれていた。良い方角と悪い方角とが図や文章で示されている四柱推命の本は年末になるとどこの本屋さんでも特設コーナーを設けて山積みして売っている。

川村龍洲さんがうちの三人の子供の数十年後の去就を言い当てたり、東南光さんが長女の風呂での事故を予言したり。他にも山程ある。そういえば、小坂先生が「北千里に行くな!」と引越しの前日にまで私に怒鳴り上げておられたのも、今から考えると四柱推命のお告げ。あたたかいお告げだったかもしれぬと今思い直している。

信じても半信半疑。それから数十年、方角云々については全てそれに従っているといっても過言ではない。しかし今年の運気の悪さはそれとはあまり関係がなさそうにも思う。ある意味すでに数百年前から決まっていることらしい。いやもっと前から。これが学問として認められて以来。

私と同じ三碧木星の人は—-と?まで書いて、龍洲さんに電話をしたら、それは削った方がいい、該当者が山程いるので当たらない人—-なにしろ三碧木星といっても四種類あるんだからと私にはさっばりわからない話でこの話はこの辺でやめて。転倒、骨折、眼疾、年齢からくる衰え。不注意といってしまえばそれまでだが、私はただ運命に従ってじっと耐えているのみとでも言っておこうか。方角と病気とは別ですぞ—-念のため。

ところで今年の暑さは尋常ではない。老人は熱中症であるとも判断できずあの世へ行くそうだ。私も家内も堂々たる老人なので、コロナも含めて用心した方がいいらしい。といっても何をどう用心するのか、テレビなどで騒いでいるが、皆結論のない話に終始している。

この十一号が出る頃にはちょっとは涼しくなっていますかね。コロナが多少とも収まっていますかね。オリンピックの結論はまだでしょうね。

(この巻頭言は亡くなる直前の数日で書かれたものです)

江口大象(書源2020年11月号より)

江口大象先生は9月3日午後3時40分に逝去されました。享年86歳。ご冥福をお祈りいたします。

璞社・書源社 一同

 
   

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