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飛翔

今年の末に開かれる璞社書展は第六十回という非常に大きな節目の記念展である。初回から出し続けているのは私一人になってしまったが、六十年も経てばそうなるのは自然の理であろう。

テーマは「飛翔」だと聞いた。聞いたのは昨年だったかもしれない。佐藤芳越さんは何事も速い。私もどちらかというと早い方だが、芳越さんはそんなものではない。多分「飛翔」と聞いたのは二年前で、出品作二、三点のうちの一点はそれを書いてほしいとのこと。タテにするかヨコにするかとの問いにはご自由に、と。璞社書展はいつも三室なので作品は毎年三点書いている。しかし今回は記念展なので四室。この四室には百十名程の理事以上の選抜役員の人に過去の自作を一点出してほしいとするようだ。そして私は芳越さん指定の三、四点。弟の絵も少しは出そうか—。

年末の記念展にはテーマ通り、わが璞社も大いに羽ばたいて、空を飛ぶ勢いで躍進して欲しいと願っている。

江口大象(書源2020年3月号より)

 
   

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